コース紹介

農業用ハウス環境制御総合実習

種別

総合実習

開講期

2024/9/2(月)~9/13(金)(土日除)
(10日間、4コマ/日、40コマ・60時間相当)

講師

九州工業大学・西田准教授、安川准教授、石井教授、片山助教,TA 5名

内容

■実習概要:
本実習はスマート農業用デバイスやロボットを開発するための基礎技術の習得を目的に,ワンボードマイコンの一種であるArduino(Arduino互換のボード)と電子部品から構成されるデバイスを作成し,周辺ハードウェアを制御する組み込みプログラミング技術を学ぶ.教材としてスマート農業をはじめとしたIoT関係の研究で注目を集めているM5Stack社が提供するArduino互換のワンボードマイコンを使用し,ハウス内の土壌水分量や室温などのデータ取得や,画像処理を用いた果実等の認識方法,LoRawWAN装置を用いたクラウドデータベースへのアップロードする方法について演習を行う.実習後半は,前半で学んだ技術を活かし実際のハウスで使用できるスマート農業のためのIoTデバイスの開発に取り組む.

■日程: 9月2日(月)~9月13日(金)
※授業時間:10:00~17:00(12:00~13:00はお昼休憩)
9/02(月) : オリエンテーション (1コマ)
Arduinoを用いた基本プログラムの演習 (3コマ)
9/03(火) :半導体素子を用いたセンサ回設計演習 (4コマ)
9/04(水) :マイコンによるモータ制御,通信プログラムの演習 (4コマ)
9/05(木) : Arduinoを使ったネットワーク通信に関する演習 (4コマ)
9/06(金) : Arduinoを使った画像処理演習 (4コマ)
9/09(月) : スマート農業のためのIoTデバイスの開発 (4コマ)
9/10(火) : スマート農業のためのIoTデバイスの開発 (4コマ)
9/11(水) : スマート農業のためのIoTデバイスの開発 (4コマ)
9/12(木) : スマート農業のためのIoTデバイスの開発 (4コマ)
9/13(金) : 成果発表会 (4コマ)

■講師およびTA:
教員 :石井和男,安川真輔,西田祐也,片山大悟
TA :野口和宏(D2),宮川亮(D1),長石一輝(M2),大西凌平(M1),吉田雄亮(M1)

■場所:
1F MAX(前半の授業),学研都市内 農業実習用ハウス(後半の演習)

■人数・班構成:
参加者13名程度,コンテスト3~4班に分かれる

■機材:
ノートパソコン,演習用マイコン一式,LoRaWAN接続機器

■内容:
1)Arduinoを使った基本プログラムの演習
 組み込みマイコンの一つであるArduinoの基本的な使い方ついて学ぶため,本演習ではArduinoを使った簡単な回路を構成し,その回路に関するプログラムを制作する演習を行う.演習おいて,学生はデジタルI/Oピンを使ったLED点灯,PWMによるLED調光,センサからの値を取得するためのA/D変換およびUART通信,サーボモータの制御について学ぶ.授業の最後に応用課題として,I/OとUART通信およびサーボモータ制御を組み合わせた課題に取り組んでもらう.

2)半導体素子を用いたセンサ回設計演習
 今年から代表的な半導体素子の一つであるOPアンプを用いた増幅,演算回路の設計方法について学ぶ演習を追加する.本演習ではOPアンプの特徴や機能について説明した後,OPアンプを用いたボルテージフォロワ,非反転増幅,反転増幅,加算増幅などの回路について学び,各回路の出力を計算で求める.その後,実際にOPアンプを用いた回路を設計,製作し,その出力をArduinoで読み取り,回路の特性について調べる.

3)マイコンによるモータ制御,通信プログラムの演習
 今後最も使用するUART通信の習熟を目的に,演習の最初にUARTのデータ送信関数およびアスキーコードをもとにしたデータ転送方法について演習を行う.その後,学生にマイコンを使ったブラシ付きDCモータの制御手法を学んでもらうため, FETを用いたモータドライバ回路を製作し,PWMによるモータ駆動およびPID制御を構築する演習を行う.演習では回路上にある素子の機能や役割,基本的なフィードバック制御について講義を行った後,Arduinoにタコメーターの値を取得しDCモータを駆動させるプログラムを作作る.授業の最後に応用課題として,UART通信経由でモータの制御を変更できるプログラムの開発に取り組む.

4)Arduinoを使ったネットワーク通信に関する演習
本演習ではネットワークの基本構成や無線LANの種類,プロトコルなどネットワークに関する基礎知識に関する講義を行い,マイコン同士の送受信およびLoRaWAN通信に関する演習に取り組む.また,マイコンに各種センサを接続し,土壌水分量や照度,CO2,気圧,温度を計測し,その情報をマイコン間通信やLoRaWAN通信で送信する方法について万部.授業の応用課題として,取得したセンサ情報をESP-NOWおよびUART通信でPCに送信するプログラムの開発に取り組む.

5)Arduinoを使ったネットワーク通信に関する演習
カメラでハウスにある農作物の認識をやるために必要な知識の習得を目的に,本演習では基礎的な画像処理手法について講義を行う.画像処理を行う機器としてM5 Stack社が提供するM5 CORE S3というArduinoと同じ環境で開発できるマイコンを用い,学生はRGBやHSV色相系を用いた白色や黒色,橙色などの物体を検出する手法や画像処理結果をM5 CORE S3に表示させる方法について学ぶ.

6)スマート農業のためのIoTデバイスの開発
本演習において学生は,複数のグループに分かれシステム構築実習を行う.各グループは,実習で学んだ技術を活用し,農業に役立つIoTシステムを開発し,その開発目的,コンセプト,機能,性能について発表する.学生は教師が提供した窓開閉モジュールおよび散水モジュールを使用でき,IoTモジュールを使ってハウス内の温度の制御や,畝の水分を制御可能である.グループの発表を聞いた教員は,有用性,完成度,操作性,発表の質,デモンストレーションの質によって評価する. 

■レポート:実習終了後1週間以内に、各人の担当分をレポートに作成して提出。


集合場所・時間

・初日集合時間: 2024/9/2 13:00 (ただし,インターンシップ生は午前中集合.別途連絡)
・初日集合場所:生命体工学研究科 1F ロビー
・2日目以降実習時間:(別途連絡)
・コンテスト日時: 2024/9/13(時間は別途連絡)
・コンテスト場所: (別途連絡)
・他総合実習コンテスト見学:(時間は別途連絡)