連携大学院について

教育代表者挨拶

車というシステム全体を理解できるオールマイティな技術者を養成。

北九州市立大学大学院国際環境工学研究科研究科長   龍 有二


北九州学術研究都市にある3つの大学の大学院研究科の間では、平成17年度から単位互換制度を実施してきました。平成21年度からは、それをさらに進化させた形で「北九州学術研究都市連携大学院カーエレクトロニクスコース」を開設しています。本コースでは、3大学だけでなく北九州市及び(公財)北九州学術推進機構のご支援の下、多くの自動車関連企業と連携しながら、産業界が求める高度な人材を育成していく体制を取っています。
自動車技術、特にエレクトロニクスや情報技術は、それだけで独立しているものではありません。車というのは一つの大きなシステムですから、システム全体を俯瞰し、総合的に理解できる能力が必要です。いわゆる”エンジニアリング的センス”を身につけたオールマイティな技術者を養成するために、幅広い科目を配置して人材の育成を図っていきます。コース修了者には、関連企業への橋渡しなどの就職支援も行います。通常の大学院の授業科目と比べて、実習・演習の時間数が多く、ハードなカリキュラムといえるかもしれませんが、是非チャレンジして欲しいと思います。

基礎から応用まで、通常の大学教育では得られない貴重な経験を。

九州工業大学大学院生命体工学研究科研究科長 花本 剛士


“カーエレクトロニクス”と言ってもさまざまな側面がありますが、本コースで生命体工学研究科が担当しているのは、車載用知的情報処理や人間親和性技術の部分です。たとえば、車載カメラによる衝突回避するための画像処置や、音声でカーナビを操作するための音声認識技術など、知的な機能を車に組み込んでいくような分野で貢献していけると考えています。最近は脳波でモノを制御するBMI(Brain-Machine-Interface)のような技術も活発な研究対象になっており、脳波についての講義も行っています。学術研究都市内の3大学、自動車関連企業という、様々な立場の人が「車」という共通のキーワードで連携し、基礎から応用までの教育を実施しており、受講者は通常の大学教育ではなかなか得られない貴重な経験ができます。将来、自動車関連業界で研究開発をしてみたい学生は、本コースを履修し、基礎から応用まで幅広い技術を修得して世界に通用するエンジニアを目指して下さい。

目標を高く掲げ、世界水準の人材を輩出するユニークなコースに。

早稲田大学大学院情報生産システム研究科研究科長 吉江 修


 移動の手段としてだけではなく、日常生活で長い時間を過ごす空間として、あるいは高度交通社会の重要な要素として、車は現代社会において欠かすことのできない存在となっています。車の将来について深く考えることのできる人材育成が大切であることは論を待ちません。今日、自動車の生産は北部九州圏における重要な産業のひとつです。この「車」を対象として、北九州学術研究都市に集結した3つの大学院と北九州市が連携して、産業と密接に関連した教育コースを作り出しました。これが「カーエレクトロニクスコース」です。理論と実践、座学と演習の両方を重んじ、産業界から多くの講師を招いて最先端の技術を学び、来るべき未来の車社会について論ずることのできる人材の輩出を目指しています。
早稲田大学大学院情報生産システム研究科からは、情報システム、生産システム、集積システムの観点から、自動車に関連する科目を開講しています。他大学院からもそれぞれに特色のある科目が提供されており、履修生諸君は自動車という具体的な対象を意識して、何故このようなことを学ぶ必要があるのかを理解しながら、最終的には高い習得レベルに到達することができるでしょう。本コースは、世界トップレベルの技術を垣間見るチャンスの場であるといえます。是非チャレンジして下さい。

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